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遙か昔から、人々は鳥に憧れ、大空を自由に飛ぶことを夢見てきました。レオナルド・ダ・ヴィンチがデザインをした飛行装置、モンゴルフィエ兄弟が発明した熱気球、そして、ライト兄弟の有人動力飛行成功。そんな航空の先駆者たちを紹介いたします。
Category : 歴史
Date : 2018.04.11
空を飛ぶために過去の人々がまず考えたのは、鳥を模倣することでした。イタリアのルネサンス期を代表する芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチは鳥の羽ばたきを観察し、科学的な解明を試みました。鳥の飛行な詳細な観察をもとに、空を飛ぶための原理を考え、オーニソプター(羽ばたき飛行機)やネジの原理を利用したヘリコプターなどを考案しています。彼の遺した手稿にそれら飛行装置の設計図を見ることができます。
ダ・ヴィンチの研究から400年。史上初めて人を乗せて空を飛んだ乗り物は熱気球でした。1783年にフランスのモンゴルフィエ兄弟が熱気球による公開実験を行い、人を乗せた気球の浮揚を成功させます。気球は910メートルほど上昇し、パリ上空を25分ほど飛行しました。19世紀に入ると、科学的な研究が進み、飛行機の基礎理論ができます。ドイツ人のリリエンタールはその一生をグライダー制作と操縦術に捧げました。彼はコウノトリの飛翔の研究をもとに実験を重ね、1896年にテスト飛行中の墜落事故で亡くなるまでの6年間に、2000回以上の飛行実験を行い、貴重なデータを残しました。
20世紀初頭、モンゴルフィエ兄弟の熱気球から派生した飛行船が実用化されてはいましたが、空を飛ぶ“機械”はまだありませんでした。アメリカで自転車店を営んでいたウィルバー・ライトとオーヴィル・ライトの兄弟は、リリエンタールの死をきっかけに、本格的に飛行機開発に乗り出します。そして、1903年12月17日、ノースカロライナ州キティ―ホーク近郊のキルデビルヒルズ。弟オーヴィルの操縦で12馬力のエンジンを搭載した「ライトフライヤー号」が飛行。滞空時間12秒、飛行距離36メートル。史上初の有人動力飛行成功の瞬間でした。その日4回目の飛行で、59秒、260メートルが記録されています。
ライト兄弟が動力機の初飛行に成功したというニュースは瞬く間に世界中を駆け巡り、航空ブームが巻き起こります。多くの飛行家たちが競って空を目指しました。1927年にはアメリカのリンドバーグが「スピリット・オブ・セントルイス号」で単独大西洋無着陸横断飛行を成し遂げ、一躍英雄となりました。飛行機の性能は戦争とともに発展し、第二次世界大戦末期にはジェットエンジンが開発、実用化され、その技術は旅客機に応用されました。1960年代になると、ジャンボジェット機の登場により大量輸送の時代が始まります。人は空を飛ぶ手段を手に入れましたが、空の彼方が未だロマンを掻き立てられる場所であることは変わりません。
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