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かつて「色」は貴重でした。色材となるもの自体が少なく、技術的な困難もあり、産業革命以前は身の回りの物や芸術作品に使える色の範囲は限られていました。工業的に色を合成できるようになった現代では、安価に様々な色の製品を作ることができ、人々の暮らしは文字通り多彩になりました。
「海を越えてきた」という意味を持つ青色の顔料、ウルトラマリン。原料のラピスラズリはルネサンス期に中近東から地中海を越えてヨーロッパへ輸入されました。ラピスラズリは、当時、金にも匹敵する価値があり、それを原料に作られたウルトラマリンには、他の青い絵の具の100倍の値段がついていたそうです。
17世紀オランダの画家フェルメールはウルトラマリンを愛用しました。≪真珠の耳飾りの少女≫のターバンの色に見られるように、その鮮やかな青はフェルメールの作品において印象的で、フェルメール・ブルーと呼ばれています。
有彩色の中で一番明るい黄色は視認性が高く、暗いところでも目立つことから、交通安全目的で小学生や園児のバッグや帽子、カサなどに使われることが多いです。黒との組み合わせは特に視認性に優れるため、道路標識・踏切・工事現場・工場など危険を伴う場所で警告色として用いられています。
自然界ではスズメバチなどが黒と黄色の縞模様で、自らが有毒で危険な存在であることをアピールしています。また、スズメバチに体色を似せることで、毒を持っているかのように見せかけ、捕食者から身を守る生き物たちもいます。
緑は木々や草花を連想させることから、多くの文化圏において自然やエコロジーを現すシンボルカラーとして用いられます。同時に、自然界の色であることから、人の心を沈静化させる作用があるといわれています。
イスラム教では、緑は神聖な色であり、モスクや、コーラン、イランやサウジアラビアに代表される多くのイスラム教国の旗にこの色を見ることができます。また、イスラムの聖典の中でも緑色は度々言及されており、楽園を表す色であると信じられています
中国や中国の伝統を受け継ぐ国々では、赤は縁起の良い色と考えられ、新年や結婚のお祝いの飾りつけや衣服に赤色が使用されます。日本でも、魔よけの意味や縁起の良さが信じられ、祝い事の機会に食される赤飯や、還暦のお祝いに身につける衣服など、吉日に赤を使う伝統が引き継がれています。
諸説ありますが、キリスト教では、赤は血を象徴することから人性や愛を意味する色であると信じられています。そのため、キリスト教絵画ではイエスや聖母マリアの羽織物に赤色が度々用いられます。
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