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ヨーロッパには数多くの美しいキリスト教建築が存在します。そこは信仰の場であると同時に、人々が培ってきた文化や芸術を見ることができる場所でもあります。 今回はサグラダ・ファミリア、サン・ピエトロ大聖堂、ケルン大聖堂、シャルトル大聖堂の4つの大聖堂を紹介します。
Category : 文化
Date : 2017.04.07
スペイン・バルセロナのシンボル「サグラダ・ファミリア」。建築家アントニ・ガウディが生涯をかけて設計・建設に取り組んだ未完の傑作で、着工から130年以上経った現在も建設が続いています。
1883年、着工の翌年に当時31歳でまだ無名だったガウディが初代建築家フランシスコ・ビリャールの後を引き継ぎ、構想から練り直しますが、生前に完成したのは地下祭室と東側の「生誕のファサード」のみでした。ガウディの死後、詳細な設計図が無く、内戦によりスケッチや模型なども燃えてしまったため、職人による伝承やわずかに残された資料を元に、歴代の建築家たちにより建設が続けられてきました。
かつては完成まで300年かかるといわれていましたが、近年IT技術を駆使することにより工期が半減し、現在ではガウディの没後100年にあたる2026年に完成が見込まれています。
サン・ピエトロ大聖堂は、バチカン市国にあるローマ・カトリック教会の総本山で世界中から信者が訪れます。その名は、この地で殉教したイエス・キリストの最初の弟子であるペトロに由来します。
4世紀頃にペトロの墓の上に建てられた小さな木造聖堂を起源とし、17世紀に現在の姿となりました。聖堂内では、ルネサンス期からバロック期に活躍した芸術家たちの数多くの傑作を見ることができます。ミケランジェロの「ピエタ」、ベルニーニの「大天蓋(バルダッキーノ)」や「聖ペトロの司教座」など、観る者を圧倒します。
ドイツ中西部の街ケルンにそびえ立つ大聖堂。尖塔の高さは157mに及ぶ、世界最大のゴシック様式の建造物です。1248年に着工されましたが、宗教改革による財政難によって16世紀には建造が一時中断されてしまいます。しかし19世紀に建設開始当時の中世の図面が発見されると、当時の中世建築のリバイバル運動も相まって、1842年に建造が再開し、1880年には現在の姿が完成しました。
第2次世界大戦中には爆撃によって大きな被害を受けましたが、幸いにも外郭の破壊は免れ、破壊された部分はその後復元されました。近年では、ドイツを代表する現代アーティストであるゲルハルト・リヒターがデザインしたステンドグラスが採用されるなど現代の要素を取り入れながらも、中世のゴシック建築を今に伝えています。
1979年にユネスコ世界遺産に登録されたこの大聖堂は、首都パリより南西に90km、列車で約1時間の街、シャルトルにあります。この地には4世紀末には既に聖堂があったとされ、876年にフランス王シャルル二世(禿頭王)が聖母の「サンクタ・カミシア(聖衣)」を寄進すると、マリア信仰の高揚を背景に多くの巡礼者が集まるようになります。
11世紀にはロマネスク様式の聖堂が建造されますが、その後、幾度も火災に遭い、再建と修復を余儀なくされました。フランス屈指のゴシック建築と称される現在のシャルトル大聖堂は、1194年の大火で大部分を焼失した後に再建され、1220年頃に完成したものです。
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