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ボストン美術館 – 日本美術

この度、ボストン美術館の収蔵品の写真提供が可能となりました。1876年に開館したボストン美術館は約50万点にも及ぶ作品を収蔵しており、中でも10万点を越える日本美術のコレクションは世界屈指の質と規模を誇ります。エドワード・モース、アーネスト・フェノロサ、岡倉天心、ウィリアム・スタージス・ビゲローにより収集された作品群を核に、100年以上に亘り集められてきたコレクションは、日本の国宝級ともいえる秀逸な作品を多く含みます。今回は「東洋美術の殿堂」と称されるボストン美術館から日本美術をご紹介します。

Category : 絵画

Date : 2017.04.13

日本画

明治維新後の文明開化期、国民から日本の伝統美術が軽んじられる中、フェノロサとビゲロー、二人のアメリカ人がその価値を見出し、日本美術の保護や発展に貢献しました。彼らが日本滞在中に収集した膨大な数の美術品は、殆ど散逸することなくボストン美術館に寄託されました。
フェノロサのコレクション、及び、ビゲローのコレクションには、信仰の対象である仏画、屏風や掛け軸などの調度品に描かれた閑寂な山水画、近代的自我意識の萌芽が認められるエネルギッシュな近世絵画等々、幅広い年代と種類の日本画が収蔵されています。

工芸品

「東洋美術の殿堂」とされるボストン美術館には、日本の美術工芸品も数多く収蔵されています。ここでは鎌倉時代から明治時代に作られた様々な工芸品を紹介します。
快慶作と伝わる「弥勒菩薩立像」を初め、海外でも多くの人々を魅了したこれらの作品の数々は、日本の伝統が生んだ精緻な技の美といえます。

新版画

明治時代に衰退した日本の浮世絵版画ですが、大正時代に入り新しい浮世絵版画いわゆる新版画が生まれました。ここでは海外で評価、知名度ともに高い三人の版画家の作品を紹介します。
一人目は川瀬巴水です。川瀬巴水は近代風景版画の第一人者で「昭和の広重」とも呼ばれた版画家です。
二人目は小原古邨です。小原古邨は海外のアーティスト達にも注目され、ロートレック、モネ、クリムトなどもその作品を収集したといわれています。
三人目は吉田博です。風景画家としてスタートした吉田博は大正後期頃より木版画に力を注ぎ、アメリカやヨーロッパなど世界を巡り描いた風景版画は今なお国内外の版画愛好家を魅了しています。

絵葉書

ボストン美術館には明治後期から昭和初期の日本の絵葉書がコレクションされています。
明治33年(1900年)に一般の印刷業者が発行する「私製はがき」が導入されたのをきっかけに、流行し始めた絵葉書。使われている色数は少ないながらも、人気の洋画家、日本画家、版画家の手になるユニークなデザインが、四季折々の風景、当時の風俗、物語の世界の幻想的な場面を鮮やかに伝えてくれます。

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