SPECIAL FEATURE

Georges Dudognon

今回の特集では、ユニフォトプレスが提携するパリのフォト・エージェンシー「adoc-photos」のアーカイブからジョルジュ・デュドニョンの写真をご紹介します。 二十世紀後半の躍動するパリを記録し続けたデュドニョンは、ロベール・ドアノー、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ウィリー・ロニらと共にフランスを代表するヒューマニズムの写真家の一人。スターからホームレスまで、あらゆる階級の人々にレンズを向け、その日常を切り取りました。戦後の高度経済成長期の光と闇を如実に伝えるデュドニョンの写真は、現在でも世界中で多くの書籍やドキュメンタリーに用いられています。

Category : culture

Date : 2017.04.13

サン=ジェルマン=デ=プレ Rats des Caves à Saint-Germain-des-Prés

戦後の復興が始まる1945年、パリ、サン=ジェルマン=デ=プレに、デュドニョンは刺激的な世界を見出します。
La Rose Rouge、Le Vieux Colombier、Club Saint-Germainなど、人気の地下のクラブではアヴァンギャルドなシャンソンや、ビバップ、ジャズが流れ、報道関係者から「地下のネズミ(Rats des caves)」と呼ばれる人達が集まり、毎夜、賑わいました。
1948年~1951年、サン=ジェルマン=デ=プレの活気と喧騒を撮影したデュドニョンは、この界隈の常連、ジュリエット・グレコ、ダニエル・ジェラン、ボリス・ヴィアン、ピエール・ブラッスール、チャーリー・チャップリン、リチャード・ウィドマーク、オーソン・ウェルズ、マレーネ・ディートリッヒ、グレタ・ガルボなどのスター達と親交を結びます。

コート・ダジュール Côte d'Azur

フランスでは、1950年代から旅行という余暇の過ごし方が発展し始め、サン=ジェルマン=デ=プレの地下のクラブを賑わしていた人達も、暗い地下を抜け出し南仏、コート・ダジュールの焼け付く太陽を求めるようになります。
1949年から、デュドニョンは「サメになった地下のネズミ」を追いかけ、夏の間、コート・ダジュールで暮らすようになります。1960年には雑誌「ELLE」の通信員となり、カンヌ映画祭で脚光を浴びるスターやアンティーブのジャズマンの写真、南仏を訪れる著名人のプライベートショットをパリに送りました。

「栄光の30 年」の影 Autre Face des “Trente Glorieuses”

戦後の活気に満ちた華やかな世界にレンズを向ける一方で、デュドニョンは社会問題にも取り組みました。
後に「栄光の 30 年(Trente Glorieuses)」と呼ばれるようになる1945年から1973年のフランスの高度経済成長期には、勢いを増す消費社会の影で生活困窮に陥る人々も多くありました。このような人々の実状を世間に知らしめる為に、デュドニョンはカメラを片手に彼らと共に闘いました。 パリのスラム街に暮らす浮浪者やジプシーを捉えた当時の写真は、今ではとても貴重な資料となっています。

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